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「行くぜぇお前ら!」
「オオッス!」
「ワン、ツー、ワンツースリーフォー!」
ギャンギャン鳴り響く爆音ベース&ギター。
先ほどとは打って変わって、暴力的なメロディーがサマーフェスよろしく空まで届く勢いでがなり立てる。
ギターを片手に踊り狂うエラトー。
髪を振り乱し、めくれたスカートから太腿を露わにし……。
むしろ、「エラトーの姉御」と呼びたくなるような雰囲気だった。
「生まれた時からロケンロー! 私の人生ロケンロー! 常識外れに、ビッチ万歳! 貞操崩壊、マザーファッキン! ユアファッキン! イ゛エエエエエエエァ!」
無遠慮に歌い上げられるそのデスボイスに、オレはずっこけてしまった。
あんた、女神なんだろうが。
ビッチ万歳イェエエアじゃねえよ……。
しかし、あきれ返っているオレの横でエウテルペーは相変わらずにこにこしていた。
「あの曲調だとやっぱりメタルが良いわね。今までで最高ですわ」
「え……そうなの?」
「はい。常識は常に壊さなければ新しいものは生まれませんわ。実はあの歌詞も、私が書いてあげましたの」
「は?」
曲は恐らく3分ほど。
神様(仮)としてはとてもお伝えできないようなヒワイな歌詞を散々叫びまくった後、 エラトーはこちらを見て親指を立てた。
エウテルペーが手を叩く。
オレも一応、「ブラボー」と言っておいた。
エラトーはギターを置いてこちらに駆けてきた。
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