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「私、姉さまたちみたいに胸もないし、女として魅力がないかもしれないけど」
うん、確かに見事な洗濯板。
手を胸に持っていかれたけど、何にも触らない。
布の感触だった。
いや、だけどそれはそれで……。
って、何考えてんだオレ!
「いやいや、そんな! 胸じゃ人の価値なんて決まらないし! そういうのってほら! 人としてどうかって……!」
「他のことだったら何でもできるの。アポロン様が望むなら何だって……」
「えっ……ちょ」
メルポメネーがオレの方に身を乗り出す。
何でもってなんですか!
って、その「覚悟決めてます」って顔何ですか!
「だからアポロン様……もしも嫌じゃなかったら、この私と一度だけでも……」
おおおおおおお!?
接近する濡れた唇。
閉じられた瞳、長い睫毛。
こ、これは「キスして」って事ですよね!
オレのために勇気出しちゃったって事ですよね!
良いんですか?
いただいちゃっていいんですか!?
オレは吸い寄せられるようにメルポメネーの肩に手を置いた。
2人の距離が近くなる。
そして……。
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