【第五話】 仕事、時には楽じゃないです

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「私、姉さまたちみたいに胸もないし、女として魅力がないかもしれないけど」  うん、確かに見事な洗濯板。  手を胸に持っていかれたけど、何にも触らない。  布の感触だった。  いや、だけどそれはそれで……。  って、何考えてんだオレ! 「いやいや、そんな! 胸じゃ人の価値なんて決まらないし! そういうのってほら! 人としてどうかって……!」 「他のことだったら何でもできるの。アポロン様が望むなら何だって……」 「えっ……ちょ」  メルポメネーがオレの方に身を乗り出す。  何でもってなんですか!  って、その「覚悟決めてます」って顔何ですか! 「だからアポロン様……もしも嫌じゃなかったら、この私と一度だけでも……」  おおおおおおお!?  接近する濡れた唇。  閉じられた瞳、長い睫毛。  こ、これは「キスして」って事ですよね!  オレのために勇気出しちゃったって事ですよね!  良いんですか?  いただいちゃっていいんですか!?  オレは吸い寄せられるようにメルポメネーの肩に手を置いた。  2人の距離が近くなる。  そして……。
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