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「はぁーいっ♪ テレプシコラー入りまーす!」
突然響き渡った甲高い声がオレ達の空気を打ち破る。
現れたのは確か天ぷらさんとか何とかいうテンションの高いお姉さま。
メルポメネーが「チッ」と舌を鳴らしたのが聞こえた。
うぉおい、怖えよおめえ……。
「エラトー達から聞きましたの。アポロン様、お仕事を始められたそうですわね」
「え、うん。まぁ、そういう事になるのかなぁ」
「でしたら、この『合唱・舞踊』のテレプシコラーにも祝福をくださいませ。9人の姉妹の中で私が一番忙しいんですのよ!」
「お、おいおい!」
「さぁさ! お早く!」
オレはテレプシコラーに引きずられるようにして階段を降りた。
何だか下が騒がしい。
見ると、そこにはやたらキラッキラした感じの女の子たちがわさわさ並んでいた。
数は大体50人前後。
何だかこの光景……どうも見覚えがあるような……。
「この子たち、ダンサーですの。私が自らオーディションした、選りすぐりの精鋭たちですのよ」
テレプシコラーはそう言って胸を張った。
ああ、なるほど。
自分はプロデューサーさんな訳ね。
で?
「まずは彼女らの歌と踊りをご覧になって。バンドメンバー集合!」
はーい、と返事して集まって来たのはさっきエラトーのところにいたバンドの人たち。
彼らがスタンバイすると、ダンサーの女の子たちは床の模様に合わせて並び、ポーズをとった。
やっぱり、これって……。
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