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2021.12.25
我輩は蛇である。
名前はまだ無い……というか、生後数ヶ月の女子なのに一人称が「我輩」とはこれ如何に。にょろ。
お久しぶりです。有月です。
名作の書き出しを換骨奪胎しつつ、いつもとは違うトーンで始めてみるクリスマス。ところで、蛇は獲物を丸呑みにして骨や胎の区別なく消化吸収する点で極めて合理的かつエコな生物と私は評価しているのですが、いかがでしょうか。
……この時点でドン引きな方、今回は読み飛ばしてもらって結構です。クリスマスとかガン無視で蛇トークに終始しますので。
で、なぜこんな感じなのかと申しますと、この冬、引き籠もり生活のお供に蛇を飼い始めたからなのです。
「蛇蝎の如く嫌う」という言い回しもあるくらいに世間一般、いえ、おそらく全人類規模で嫌われ者の蛇ですが、なぜか有月は昔からこの生物に魅せられてきました。幼少期、祖母に伴われて動物園へ行くとゾウやライオンなどの看板動物の前を素通りして、目指すは敷地の隅にひっそり佇む爬虫類館。
そこは昼間でも常に生臭く湿った空気が淀むドーム型の建物。分厚いガラスに遮られた暗がりに蠢く幾多の蜥蜴や蛇の中で、私が特に執心したのが大型のニシキヘビでした。独特の柄に包まれた丸太みたいな躰を水に浸し、微動だにしない大蛇。そのケージに張り付いて離れようとしない私に、祖母はさぞ閉口したことでしょう。
なぜ、蛇にそんなに魅せられるのか。
自身の胸中を探ると「洗練」という言葉に行き着きます。手足の無い躯をしなやかにくねらせて地を這う姿は、蜥蜴が地中生活に適応した結果と言われているそうです。また、退化した耳(内耳は残ってて振動には敏感)、片肺を放棄して手に入れた細長い胸部、獲物を咀嚼せず丸飲みにして隠れ家でゆっくり消化する捕食スタイルなど……
哺乳類の身である私からすると、彼らの生態はとても潔く洗練されて映ります。ちなみに、「蛇蝎」の片割れ、蝎も抜きんでて美しい節足動物だと思ってます、ハイ。
ということで、今年はほぼ書けないまま仕事が繁忙期に突入してしまいましたが、有月は蛇を愛でつつ静かなクリスマスを過ごしています。
新型コロナ情勢がこのまま沈静化することをサンタに祈りつつ、そろそろシメの挨拶としたいと思います。
皆さんもどうかお気をつけて、にょろりと良い年をお迎えください。にょろにょろ。
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