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2018.04.29
こんばんは。有月です。
久方振りにも関わらず、今回はとても個人的な内容になること、まず最初にお許しください。
私にとって「初めての読者」と呼べる人物がいます。
その人物が今年の始め頃、ネット上からふっと姿を消しました。
彼がいなくなって、そろそろ三ヶ月。
私なりにネットを頻繁に巡回して彼の痕跡を探したり、呼び掛けたりしてきましたが、残念ながら彼と連絡を取ることは出来ていません。
思えば彼は、いつもそこに居てくれました。
私が新作を書けば真っ先に読んで感想を聞かせてくれて、彼自身も万華鏡の様に作風を変化させながら色んな作品を読ませてくれたかと思うと、ツイッターのタイムラインで下らない冗談を言ってあちこちで失笑を買ったり、時には広範な教養から零れる蘊蓄で創作仲間を唸らせたり……
せめて、最後に何か言葉を残して消えてくれていたら、また違ったのでしょう。
しかし、いつもそこに居てくれたからと言って、いつまでもそこに居て欲しいと願うのは、私の我が儘です。彼の自由を束縛することは出来ません。
ここでいったん線を引いて、私から呼び掛けることはやめます。
最後に、今も何処かで元気にやっていて、いつかふらりと戻ってきてくれることを願いつつ、彼に古い中国の詩を贈ります。
勧酒
君に勧む金屈巵
満酌辞するをもちいず
花ひらけば風雨おおし
人生別離足る
柏村磯子、または黒煙吐鏡、あるいは毒肝二兎と名乗りし者へ
有月 晃が誠心を持って、貴様の多幸をここに願う
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