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4月のとある日この小さな山里にも桜の開花の便りがようやく訪れ 俄かに満開となり賑わいを見せている。 この琵琶湖沿いの景勝地はこの時期土日ともなると 細い道を車が列をなしはるか十数キロ先まで延々と続く有様だった。 そのことを知っている僕は平日の早朝まだ夜が明ける前に車でやってきた。 そう1年前の君に会うために。 すれ違うヘッドライトもないままレイクサイドの小道を数キロ駆け抜けると急坂を一気に登り、公園に到着するとそこへ車を止めた。
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