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まだ誰もいない場所に桜は咲いていた。
まるで誰かを待っているかのように咲いていた。
僕は導かれるように歩を進めた。
何もかも変わらない。
満開の桜が綿菓子を乗せたようにふんわりと漂っている。
音のしない静かな世界。
去年君が駆けていったのはこのあたりだったけ。
確か手すりにつかまり湖を眺めてた。。。
僕は持ってきた桜と同じ色のチューリップの花束をそっと投げ入れた。
まだ薄暗い湖面は穏やかに僕の気持ちを受け入れてくれたように思えた。
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