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涙があふれ出た。 ペンダントを両手でつかみ胸で抑えると桜の大木に崩れるように背中でもたれかかった。 そして膝から崩れた。 大声で泣いた。涙がとまらなかった。泣いて泣いて君を思った。 泣いて泣いて貯めていたものをサンドバックから一気に砂が漏れるように吐き出した。 ああ、このロケットを残してきたことをなぜ言ってくれなかったのか。 でもね。 1年間の風雪に耐え誰にも奪われずまた奇跡的に僕の手元にもどってきたよ。 君の願いはこうして届いたよ。しっかり受け取ったよ。 また涙があふれてきた。とまらなかった。
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