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部屋に戻ると寝間着に着替えた君は自慢の長い髪の毛を三つ編みにし、 日が差す瓦屋根連なる町屋の有様をやさしくながめていた。 「どうだった。」「うん。単なる胃潰瘍だって」 「そう」 先生の告知を断った僕は白々しく答えるしかなかった。 現実をどうすることもできなかった。
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