君はもういないのか

④

＊ ＊
「あなた。どう」
君は自慢の長い髪をばっさりと切った。
「似合っているよ」
確かにさわやかな風が吹いたようで夏の陽気にぴったりだった。
そして何よりも君の笑顔がよかった。久しぶりだね。こんな表情（かお）は。
「夏祭りがあるんですって。近くの神社で。病院の職員の方も参加するんですって。
どうかしら」
「君の体調さえ良ければ」
「あなたに支えてもらえば大丈夫よ」