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家族がたまらずナースコールを押す。
もう何十回と押している。
看護師はその要件を知っている。来る看護師、来る看護師みんな怯えていた。
「この苦しんでいるの、何とかしてください」
鎮静剤(セレネース)を打つしかないのだが、もう体の中に打つとこはないのだ。
腕から足まで打って打って打ちまくった。もう彼女は人ではなかった。。。可哀そうだった。
看護師も一生懸命場所を探す。
ようやく決まったのは手の甲だった。
そこに太い針を刺した。
君はそれでも激痛のために手をびくっとさせ、しかし容赦なく薬は注入される。
可愛そうに。なぜ。なんのために。
みんな泣いていた。みんな君をさすってやった。
いとおしそうに。
僕は一人椅子に座って顔を覆い君にぶつぶつと謝った。
薬は意識の低下という重い代償を払い、一時平穏をもたらしてくれた。
その間みんなも休む。みんな疲れていた。
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