3/4
前へ
/56ページ
次へ
* * ガランとした部屋。陽光が畳に溜まる。 この部屋はこんなに広かったか。 静寂に埋もれる歓声。 黒箪笥の背に溜まる想い出という埃。僕はすうと指で撫でる。 それを見返す指は震えている。 君は座卓に肘を付き、今日あった一日を楽しそうに話していたね。 僕はおざなりにするふりをしながら幸せをかみしめたものさ。 今日の何気ない一日をどうか神様お守り下さい、と。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加