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昨日、部活の後たまたま成瀬に駐輪場で会った。
「あれ?部活の後会うの初めてだね。」
「おぉ。バスケ部も土曜日練習やってたんだな。」
「うん。夏の大会前だからね。もぉヘトヘトだよー。しぶやん厳しいから。」
「俺も疲れたわー。成瀬の家どっち?」
「陽向公園の近くだよ。」
「俺もそっちの方。」
自転車をひきながら並んで歩く。
「あ、杏子がね、青山くんにこれ渡しといてって。」
差し出されたのは、かたティーだった。
「この前、購買部で青山くんに嫌な思いさせちゃったこと、謝っといてって。」
あー思い出した。
「あの時の橘、マジ怖かったんだよ。」
「あはは。杏子ね、かたティー大好きなの。だからちょっときつい態度とっちゃったんだと思う。ほんとはツンデレで可愛いんだから。この前なんか・・・」
こいつと話すようになってから約1ヶ月。
わかったことがある。
①友達思い
「明日試合なんだよね?杏子と応援行くから、がんばってね!」
「俺、出るかわかんねーぞ。響は多分出るけど。」
②頑張り屋
③バスケが好き
④意外と天然
そして・・・
「でも可能性0じゃないでしょ?毎日自主練がんばってるもん。きっとチャンスあるよ。」
ほら、まただ。
いつでも欲しい言葉をくれる。
俺はそんなお前がいつのまにか・・・
陽向公園の前を横切る。
砂浜の文字が頭をよぎる。
そして思い出す。
だけどこいつは、
響のことが好きなんだ・・・。
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