親の脛にバターは塗れない

4/8
前へ
/88ページ
次へ
ギルドは僕の脳内に引けをとらないくらいの賑わいを見せていた。 「あら、レミルくん、いらっしゃい」 「おはようございます」 このギルドの受付のお嬢さんはとても可愛らしく、いつも明るい笑顔で冒険者を迎えている。 名前はシリアさんというのだそう。 受付嬢の基本は笑顔、接客は笑顔で。ここらへんは日本と変わりはないようで、馴染み深いというか、懐かしいものをかんじて心に暖かいものを感じる。ついでに抱きしめて欲しい。 ふむ、、、そのお胸Eはありますねぇ、、、、 ついでに抱きしめて欲しい。心に暖かいものをもっと感じたいのだ。 言わずもがな、そんなこと本人に言えるわけもなく、話題は世間話から依頼の話へと切り替わる。 「んーー、今のところですと、こちらなどはどうでしょうか」 お仕事口調の受付嬢さんも、こう、ほら、グッとくるよね!!いいね!ふぁぼふぁぼ!リツイートしちゃう! 「町外れの村まで手紙を届ける依頼ですか、じゃあこれにします」 「はい、ハンコ押しました。じゃあまずは薬屋さんのところで手紙を受け取ってきてね、そこから町外れの鍛冶屋のガルダさんまで届けること、最近は魔物もちょくちょく出るみたいだし、くれぐれも気をつけてね、あ、お気をつけてくださいね、では、いってらっしゃい」 言い直すところ、、すき、、です、、、、 行ってきます、と心なし爽やかめの笑顔で返して薬屋へと向かった。 「魔物かー!!!やだなーー!!!会いたくないなーー!!!」 薬屋で手紙を受け取り、街の西門へと向かう途中、通りすがるお兄さんや騎士団の警備のおっちゃんにことごとくフラグを立てられ、僕のメンタルはすでに死んだ。 薬屋さんにも言われた、、、魔物がいるから気をつけてって、、、、フラグビンビンじゃん、、、、ふええん、、、 お兄ちゃん!大好き!頑張って!(裏声) こんな時のための脳内ラミアちゃん。 心の中の妹は今日も可愛い。いつだって可愛い。 よぅし!お兄ちゃん本気だしちゃうぞー! んー。帰ってきたら薬屋さんに頭のお薬もらおう。 そう決めてトボトボと町外れの村へと足を進めた。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加