妖怪の話

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「健康志向のお客さんが多いからね。動物性のバターでなくて、からだに優しい植物油のマーガリンにしたほうがいいよ。」 奥さんも、 「うちのマーガリン、安く卸すから、それ使って。それなら、うちで売れるわ。」 ふとした違和感があったのですが、それを封印した。売り上げの2割の利益を貰うことになった。 その後は、忙しかった。 試験販売をした、商品は、奥さんの宣伝のおかげであっという間に売れ、お客様が、ご友人を連れてこられ、買いにこられる。追加で焼いたが、それも売れ、最初は抜き型を使っていたが、簡単に大量にできるアイスボックスクッキー。生地を冷蔵庫にいれ、かまぼこを切るように、成形。県産レモン果汁と果皮を使った物、抹茶の入った物、ココア味の三種類作った。ココアや砂糖以外は、国産にこだわった。 パッケージをどうするか、成分表示をどうするか。値段をいくらにするか。卸値はいくらか。この頃はまだ保健所もあまり手作りクッキーについて厳しくなかったから家で夜中に焼いていたが、店で売るには、今は保健所から指導で、ちゃんとした設備のある店のキッチンでということになっていると思う。     
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