妖怪の話

6/12
前へ
/12ページ
次へ
「ほら!よっこのクッキーと書いてブランド化するのよ。将来、お菓子の店を出すといいわ。絶対、応援してあげる!宣伝もしてあげるわ!新作レシピも楽しみだわ!どんどん焼いて。」 クッキーは作っても作っても売れ、自宅のキッチンで過ごす時間が長くなったので、数ヶ月後、提案してみた。 「お菓子もいいけれど、ドイツパンはどうですか。」 焼きたてパン屋さんはフワフワでおいしいけど、固いパンは売っていない。フランスパンが唯一。友達の家に遊びにいった神戸で、ドイツの黒パンを友人に食べさせてもらったことがあって一年ほど前から何度も試作していた。それを作ってみたいと思った。 ドイツパンは非常に酸味があるのが特徴で、ライ麦の100%のものや、60%のものなど色々な種類があった。焼かないパンにクリームチーズやバターを塗ると美味しかった。ハムなども乗せても、味が引き立った。家で、何度か試していたが、ネットなど当時はなかったし、専門書など手に入らなかったので、本屋で食べやすい日本人向けのレシピを書いてくれているグレイテル房子さんの本も見つけて試していた。グレイテル房子さんは東京でドイツパン教室も開いておられる方だった。     
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加