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綺麗な夕日に海が真っ赤に染まる。
砂浜の果てからなにかが少しずつこちらに向かってきた。
ざっ、……、ざっ、……。
近づいてくる足音。
……ああ。
ひい婆ちゃんの云う通りだった。
ひとりでいる時間を少しでも減らしたくて、久しぶりにひい婆ちゃんに会いに来た。
今年九十になるひい婆ちゃんはそんな年を感じさせないほど元気で、老人ホームで第三くらいの人生を楽しんでる。
「ひい婆ちゃん、元気?」
「ああ、綾乃ちゃん。
よう来たねぇ」
ひい婆ちゃんはしわだらけの顔をさらにくしゃくしゃにして笑うから、目が埋もれて見えなくなってしまう。
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