-独占の権利-

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暫くすると永倉と沖田が広間へ戻ってきた。 「おう、新八偉く説教が短かったじゃねぇか?」 「…あぁ」 原田が直ぐに絡むが永倉は短く返事をした後ドカッと力なく座り込んだ。その様子に藤堂と原田を顔を見合わせ頭にはてなを浮かべた。 「ねぇ、総司!ぱっつぁんどうかしたの?」 「あー…山南さんと土方さんに理由を説明したら…」 説明を始めた沖田も口篭りその先を中々言わない。 「「説明したら?」」 藤堂と原田が急かすように口を揃えると沖田は下を向いたままこう言った。 「山南さんと土方さんも…参加するそうです」 「「……は?」」 原田と藤堂は素っ頓狂な声でただ一言そう言った。すると黙っていた永倉が口を開いた。 「土方さんが勝負に勝ったら書類を確認して判を押す仕事をしろだとよ…。山南さんは桔梗と二人で出掛けてぇらしい」 「…まぁそういう訳です。」 それを聞いた藤堂と原田は固まった。四人はなんとも言えない気持ちになったがいつまでも呆けてる訳にも行かずそれぞれもやもやを残したまま隊務と稽古に向かうのであった。
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