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長女ミリアは兄ディーノの一つ下で、ディーノと同じくとても美しく、だが気性の荒い性格であった。
(男になんて絶対に負けない…
私が母さんの代わりに必ず兄弟を守ってみせるわ…)
彼女は夜の世界で生きていた。
街の歓楽街にある[パールベニス]というショーパブでダンサー兼ホステスとして働いていた。
母親譲りの美しい顔立ちで、その艶やかな容姿とブロンドヘアで観客を魅了し、彼女のステージを観に遠方から多くの人々が店に訪れた。
ステージを終えたミリアに常連からの指名が入った。
「今日も綺麗だねミリアちゃん、君のステージはいつ観ても興奮するよ」
「あら、そーなの?別に私はあなたの為に踊ってる訳じゃないけどね…」
冷めた表情で淡々と彼女は接客する。
「さっきのステージの照明は私のタイミングとズレてたから、全然納得出来ないわ、そう思うでしょ?」
「えっ、うっ、うん…
そーだね、確かに少しズレてたかな?」
ミリアは呆れた顔でため息をついた。
「ホントに分かってるの?
実は私の身体ばかり見て踊りは観てなかったんでしょ?」
分かり易い常連である。
「あっ、えーと、そーだね…
君の身体ばかり見てたよ、ゴメンね…」
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