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「別に構わないわ、あんたはこの店で私を指名だけしてれば良いのよ…分かるでしょ?」
「あっ、いやっ、そっ、そんな風に言わなくても…
いや、そっ、そーだね、分かるよ…うっ、うん…
確かに君を指名する為にこの店に来てるからね…」
ミリアは淡々と接客する。
「そーいえば、さっき他の客から兄さんが炭鉱で揉めたって聞いたけど、ホントなの?」
「えっ!」
男は驚いた表情でミリアの顔色を伺った。
「あんたが役立たずな炭鉱長なのは知ってるわ、職場では何もせずに威張り腐ってるのもね…」
炭鉱長は汗を拭きながら気まずそうに答えた。
「あっ、はっ、はい…そーです…
モーリアがシーツオにポーカーで騙されたみたいで、それで…ディーノへ八ツ当りしたみたいで…」
「そう、それであんたはどーするつもりなの?」
ミリアは平然と、どこか他人事の様な表情だった。
炭鉱長の汗は止まらない。
「いや、どーするかって…?
もっもちろんモーリアには明日キツく叱っておくよ…
二度とディーノへは近づかない様にね」
ミリアは煙草に火を付けて淡々と答えた。
「別にシーツオがポーカーでイカサマしてようが、ディーノが炭鉱で殴られようが私には関係ない事だからどうでも良いのよ」
彼女は一息煙を吐き出して続けた。
「ディーノは昔からホントに情けない男なのよ…
どーせシーツオが自分の弟だからってだけで何もせずにモーリアに殴られたんでしょうね、自業自得よ…」
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