事件:七人目の夜

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 「……もういいよ、黙って」  腹部を思いっきり踏みつけて喚く男を強制的に黙らせた。そしてえずく男の口に再びガムテープを張り直した。  これ以上命乞いなんて聞きたくなかったのだ。今まで殺した人間で十分聞き飽きていたし、聞いても何の昂りも得られないことはよく知っていた。  「どうしようかな……」  どうせ殺す、それは覆らない。問題は殺すまでにどう痛めつけるかだ。  「………とりあえず去勢かな」  下半身至上主義者ならそれは死ぬほどの苦しみだろう。ベルトを外し、ズボンを可能な限り脱がせて露出した逸物をナイフで躊躇無く断ち切った。  「~~~~!!!」  何事かを喚いていたが、ガムテープによって言葉にならず、また激しい雨音によってすべてかき消された。そしてあまりの苦痛に気絶してしまった。  「寝るなよ」  すぐさま横腹を蹴ってたたき起こす。何となく、起きて無いと嫌だ。どうせナイフを一回突き立てれば痛みで目を覚ますのだけど。  目を覚ました男の腿に間髪入れずナイフを突き刺した。腿には太い血管が通っているから大量出血で死んでしまうかもしれないが、6人殺した経験で血管の位置を予想し大丈夫と思われる場所を狙った。  「あ」  だが、予想に反して、ナイフを抜いたとたんに噴水の様に血が噴き出した。 男の顔が絶望で紙のように白くなっていく。失血のせいもあるのだろうか。  こうなっては仕方ない。少しずつ死んでいくのを見たいわけでも無い僕は男の胸にナイフを突き刺して止めを刺した。
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