第2幕

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「よう、ダンテ・メレディス。遅かったじゃないか」 快活な挨拶が響いた。声の主はトーマス。俺とパブリック・スクールからの親友だ。赤みがかった金髪に、青い瞳。かすかに頬が上気しているのは、俺が来るまでの間、一杯ひっかけたからだろう。 黒いスーツは地味だが、カフスボタンに施された精緻極まる装飾が、彼の紳士的な豊かさをさりげなく印象づけている。 「まぁ、座れよ」と促され、俺はテーブル越しに革張りのソファに腰かけた。ベルを鳴らし、とりあえずスティルワインを注文する。 「どうした。酷い顔をしているぞ」トーマスはピクルスをつまんで、ゆっくりと咀嚼しながら尋ねた。 明るい雰囲気は崩さないが、真顔だ。目は真剣で、まばたきをせず俺を見つめる。 そんなに酷い顔だろうか。俺は鏡面のように磨き抜かれたテーブルに顔を映した。 ぼんやりと表情が写る。 きちんと撫でつけられた金髪。青い瞳。まぶたの下はぼやけて不明瞭だが、少なくとも眼窩は落ち窪んでいないし、クマができている様子もない。それでも少年期からずっと過ごした相手には、心のざわつきを見抜かれてしまうのか。
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