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「君には隠し立てできないな」
声のトーンを落とし、『世界仰天一座』で見た光景を話す。
瓶詰にされたマンドラゴラ。日本という極東の島国から伝わったとされる目もくらむような刀。色とりどりの南国のオウムたち。鎖につながれた熊。
「こういう展示物は興味深かったよ。ま、どこまで本当かは分からんが」
いったん話を区切って、ワインを飲み干した。
「確かに面白そうな展示品だな。今度は二人で『ダーティ・ディック亭』でも行ってみるか?」
『ダーティ・ディック亭』とはミドルエセックスにあるパブだ。そこには骨や死んだネコ、蜘蛛の巣など、一風変わった展示品に囲まれて一杯やれると人気があるそうだ。
「でも、君が話したいことは別にあるんだろう?」
ボーイにシャンパンを注文しながら、我が親友は合いの手をいれた。
「吸血鬼の少女が見世物にされていてね」
ボーイが注文を受け、退出したのを見計らって本題を話す。
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