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シャンデリアの蝋燭がぼたり、とテーブルに垂れた。
もう夜も遅い。
「では、お開きとしますか。我が親友にしてライバル」
トーマスが空のシャンパングラスを近づける。
「面白い話が沢山聞けて、有意義な時間だったよ」
俺もシャンパングラスを傾け、剣と剣がぶつかり合うように、カン、と音を出した。
「僕も面白い話が聞けた」
前もって呼んだのだろう。玄関口の近くに停まった馬車に乗りつつ、トーマスがつぶやいた。
「マダム・タッソーの人間が実在するなんてな」
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