第1部 第1幕

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陽光がわたしを刺す。 生きながら煉獄に落とされたようだ。 眼を開けていられない。まぶたを閉じても、目の前が真っ赤に染まる。 涙が次々とこぼれる。 赤いナイフから身をよじるたびに、観衆から卑猥な冷やかしや、ひゅうという指笛が鳴らされる。 「さあさあ、近くに寄ってご覧あれ。世にも珍しい生きた吸血鬼。カーミラの子孫ですぞ」 支配人(ボス)が声を張り上げる。チャリン、チャリンというコインの音。恐らくチップが投げ入れられたのだろう。 半ズボンに薄手のスモック一枚。 恥辱極まりない恰好。でも、太陽の前に引きずり出されると、そんなことはどうでもよくなってしまう。とにかく全身を焼かれる苦しみから逃れたい一心で、わたしは鉄檻の中で右へ左へ逃げ惑う。 「では十字架を入れてみましょう」 ボスが愉快そうな声をあげ、聴衆が次々とコールする。 じゃりん、とコインとは違った音がする。わたしの傍へ、格子の隙間から何か大きな金属が投げ込まれたみたいだ。
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