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社長は真緒ちゃんを膝に乗せ、スコーンを食べさせていた。 真緒ちゃんは1歳2ヶ月になり、言葉も増えて愛嬌を振り撒く。社長はすっかり好好爺となって目尻が下がりっぱなし。ケイちゃんに怒られるほどベタベタだった。 社長は事務所の一角に育児スペースを作ってくれていた。 ケイちゃんと健太郎さんは保育所に入れようと相談していたけれど、保育所が駅の近くにしか無くて遠い上にすぐには入れない状況だった。 新橋の事務所もケイちゃんが居ないと困る。 それならと奥さんが提案したのが社内保育だったのだ。 実は社長夫妻も新橋を立ち上げた当時はそうやって息子さんたちを見ていたそうだ。 所内の一角にサークルを張ってパズル状になったソフトマットを敷き詰め、沢山のおもちゃが揃えられていた。 真緒ちゃんはそこで遊んだり昼寝をしたりして過ごすのだ。 ケイちゃんは真緒ちゃんを見ながら仕事が出来る。 「いずれ子供が増えたら保育士を頼んで本格的に託児所を作るかな!」 新たなる野望が浮かんで社長が笑う。 本当にそうなったら私にとってもありがたい話だ。 アサヒが生まれても仕事を続けられる。変わらず新橋の役に立てることが嬉しい。
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