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綿貫には新たに柏木という顧問弁護士が就き、親父との間で舌戦が繰り広げられているらしい。
広島弁で荒っぽく喋るとかなりの迫力で本気の喧嘩じゃないかとハラハラするけれど、当人たちはその後はケロッとして笑い合っているという。
実際綿貫の親父は血色も良く、笑うことが多くなったと健太郎が感心する。
でも瑞穂が指名したこの弁護士、相手を選ばない毒舌で健太郎は毎度ブチギレて帰ってくる。
なんでも彼は俺に会いたがっているらしい。
原因は勿論、瑞穂だ。
彼女は何処に行っても菩薩ぶりをバリバリに発揮してくるものだから、甘えたがりの男たちが群がって俺は非常に面白くないんだ。
そんな話を聞いているから俺は綿貫には近付かない。
逃げるが勝ち、だ。
……尤もここ大友には最強の敵、沢渡さんが居るワケで。
早くカノジョを見つけて欲しいものだと思う。
「なんやエース!手が空いたんか!?ほんならちょっと来い!!」
「あ、はい!」
大友社長が新聞片手に俺に声を掛け2階に上がっていく。
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