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コイツが喋ると知った時には困ったけれど、今では思考を遮断する術を習得してむやみに頭の中を覗かれるようなこともなくなった。
今の目標は山以外でも好きなときにコイツと喋れるようになること。
別に頼るつもりなんて更々無いけど、ちょっとご意見を伺う度にいちいち山に登らなくてはならないのはかなり無理がある。
銀狼と目が合うと、ヤツが得意気な顔をした……
…………やっぱやめとこ！絶対うるさいし。
━━そして何より大切な……………俺の女房。
相変わらずそそっかしくて危なっかしくて面白くて可愛い瑞穂。
アサヒを妊娠してから、彼女は時折俺が見とれて動けなくなるほどに美しく優しい笑みを浮かべた。
その顔で俺を見つめるから………俺は野獣に変わる。
何もかも忘れて彼女に包まれる瞬間は至福という言葉しか浮かばない。
………恋しくなった。
なんもかんもブン投げて飛んで帰り瑞穂の胸に抱かれたい……………
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