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荷室を閉めて雄大さんが運転席に乗り込む。
俺は意地悪く笑った。
「雄大さんが乗ると運転席、ギッチギチですね。」
「えぇ!?ほっとけ!!」
そう言って笑うと4tトラックのドアを閉める。
「そしたら行ってくるわ。」
「気を付けて!!」
雄大さんは大阪府内の近場、比較的小口の船便の集配を受け持っていた。
次期社長として大友社長に付いてノウハウを学んだり、社内全体の面倒をみたりで忙しい。
俺はみんなのフォローや到着便の降ろす荷物を捌いたり臨時便のドライバーを務めたり。何でもやった。
おかげで運転以外の運送業務について勉強が出来る。
それこそが大友社長とウチの小倉社長が狙う所かもしれない。
雄大さんや俺たちが絆を深めると共に業務の流れを学ぶ。
合併や統合ではない。まして馴れ合いでもない。それぞれの独立した会社として力をつけ、同じ目標を持ってしのぎを削るのだ。
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