第仁章 交渉

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そのやりとりの最中、 みくりの父のサトシもアリーナ観覧席後ろの手摺に寄りかかり一部始終を見ていた。 初富第一高校男子との話し合いは終わり、 ズンズンズンと観覧席の間の階段を 上がっていくみくり。 おお、パピー、来たんだ。 えぇ、お邪魔してます。見に来ました。 とサトシ。 そのまま、みくりが一人廊下を歩いていく。 どこに行くんですか?みくりさん! サトシが問いかける。 んあ?一ノ宮っ。 みくりの言葉に船女チームも慌てる。 おいおい、ヒガシカタっ!辞めろ! 待ってっ!みくりっ! 船女の面々が止めるもみくりは無視。 みくりが振り返り、父親のサトシを見た。 サトシは諦めて、 どうぞ。お好きなように! とジェスチャーする。 それを見て 一ノ宮の席のシマ、8席掛ける8列、64席に近づいていった。 一人近づいて行くみくりが笑顔になり声を掛ける。 一ノ宮さーんお疲れ様でーす。 一ノ宮高校の男子達が、みくりを見る。 なんだこいつ、、? 幼いな?高1か? 、、、何?、、、誰? あの~~、すみませんが席をズラしてくださいませんかね。 いや、うちは船女っす。席が5席しか無いもんで、 どうやら一ノ宮高校さんは、このシマ全部っすか?60席ぐらいスカ? この区画約200席?を9校ぐらいで席を座るんで、みんなも困ってるみたいなんでお互いに調整して譲り合いませんか?
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