episode223 奪い合い①

10/30
134人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「困ります……あんなの……」 「あんなの?」 態度と言葉は裏腹だ。 「だから人前で誘うような真似……ンッ……」 見慣れぬベッドルームで力強い腕に抱かれ 身を投げ出すようにして 僕は執拗な口づけを受け入れていた。 「やっぱり……すぐに戻らないと……」 言うものの――。 「黙れ」 「でもっ……」 頬を掴まれ 無理矢理口をこじ開けられれば。 「九条敬のところへか?」 「ンアッ……!」 否定する間もなく またすぐに奥深くまで熱い舌が捩じ込まれた。 「お兄様っ……」 征司はネクタイを解きながら 僕の身体を軽々とベッドに放り投げる。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!