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「いつから知ってた?」
「最初からあなたのこと信じていません」
「ほう」
優しい手がしなやかに僕の髪を撫で掻き乱す。
「信じていない男によくへつらうな?」
「僕って人間をご存知でしょう?」
善人だから惹かれるわけではない。
愛されてるから裏切らないわけでも。
「自分でも信じられないけれど……こうなってもっとあなたが欲しくって……」
とんだ天の邪鬼だ。
「たまらないの……お兄様」
裏切りを知った途端
身体どころか魂まで支配されたがる。
「このマゾが!」
「アンッ……!」
「本当にどうしようもない倒錯だ!――おまえみたいなの……まったくどうしてくれようか?」
征司は苛立って僕の身体を張り倒し
声を荒げた。
だけど――。
「もっと罵って下さい……」
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