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「アア……そんな……」
だけど情けなくも
僕にはこれが心地いいんだ。
「出来るだろ?」
王者らしく立ち塞がって
まるで当然のように酷い命令を下す。
「出来たらまた犬みたいにいたぶってやるぞ?」
征司は立ち上がると
投げやりにベッドの上に足を乗せた。
「どうした?ご褒美が欲しくないのか?」
「うぅ……」
まだプライドが邪魔をする。
人間として機能している証拠だ。
「せめて殴って言うことを聞かせて下さい……」
恐怖心や支配から屈辱を受け入れるなら
それはせめてもの逃げ道だった。
「ダメだ。自分でやるんだ」
「お兄様っ……」
だけどそれすら許されない。
「自分から――喜んで受け入れてるんだって認めろよ」
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