episode223 奪い合い①

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もっと頭を下げると 征司はもちあがった僕の尾てい骨にそっと手を置いた。 「ンッ……」 支配的な手に 否が応にも身体が反応してしまう。 焦らされて焦らされて 失神するまで虐められたあの日の感覚を 指先を通して思い出すんだ。 「征司お兄様っ……僕ら……」 完全におかしくなってしまったね――。 上目遣いに見上げただけで 言葉にはしなかった。 あとはもう――。 「アア……お兄様っ……!」 僕は啜り上げるようにして 夢中で征司の足に口づけた。 「これで……いいの?」 チュパチュパと音を立て 口端を汚しながら 「これで……いいですか?」 心が穏やかに満ちてゆくのを感じた。
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