episode223 奪い合い①

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僕を見下していた征司の表情が 恍惚と甘いものに変わるまで そう時間はかからなかった。 無様にも 「ハァッ……ハァ……」 四つん這いで息も切れ切れ 自分の足に舌を這わせる弟を 「もうよせ――もうよせって言ってるだろ!」 堪らなくなったように足蹴にし 征司は飛び掛かってそのままベッドに押し倒した。 「ひゃあ……あ……」 「こんな真似までしやがって!薄汚い淫売め!」 「アア……」 「謝れ。謝れよ――」 理不尽に唾されても 僕は泣きじゃくりただ言われた通りする他なかった。 「ごめんなさいっ……お兄様……ごめんなさい!」 堕ちるとこまで堕ちた。 だけど――。 「足を汚してごめんなさい……許して下さい……」 身体が心が求めるとおり そうせずにはいられなかった。
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