episode223 奪い合い①

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耳を嬲りながら冷たい声が囁く。 「……はい」 淫靡にテカテカと光る長い指を 僕は大人しく赤い唇に受け入れた。 同時に下からも 「アッ……ハァッ……!」 「こっちにも一緒に欲しいだろ?」 「アアッ……ひゃ……い……」 傲慢で横柄な侵入を許す。 「ふん、ひねた小鹿だ」 「いやぁっ……」 派手に凌辱され ガクガクする膝を征司は笑った。 その時。 階下から聞こえる にぎやかな乾杯の音頭と拍手。 そうだ。 主賓の挨拶――。 「アア……戻らないと……」 僕はあそこにいなくちゃいけないのに。 すぐに戻るって彼と約束したのに――。 「待って……行かなくちゃ……」
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