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耳を嬲りながら冷たい声が囁く。
「……はい」
淫靡にテカテカと光る長い指を
僕は大人しく赤い唇に受け入れた。
同時に下からも
「アッ……ハァッ……!」
「こっちにも一緒に欲しいだろ?」
「アアッ……ひゃ……い……」
傲慢で横柄な侵入を許す。
「ふん、ひねた小鹿だ」
「いやぁっ……」
派手に凌辱され
ガクガクする膝を征司は笑った。
その時。
階下から聞こえる
にぎやかな乾杯の音頭と拍手。
そうだ。
主賓の挨拶――。
「アア……戻らないと……」
僕はあそこにいなくちゃいけないのに。
すぐに戻るって彼と約束したのに――。
「待って……行かなくちゃ……」
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