episode223 奪い合い①

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僕はうわ言のように囁くけれど 「簡単にイカせるかよ」 言いたいことが分かっているだけに 征司はより深く僕を貫いて 「ンアアッ……!」 「ほら、もう抜けないぞ。どうする?どうすんだよ?」 ゆっくり嬲り者にするつもりだ。 どうする? どうするんだよ――。 「いやぁっ……」 クラクラする頭を振って反復する。 ごめんなさい 九条さん――ごめんなさい。 火照った体に伝うのは冷たい汗。 「――誰の事考えてるんだよ?」 僕の心を見透かすように 征司が苦々しげに呟いた。 「おまえ今、誰のこと考えてるんだよ?」 「ハァッ……!」 えぐるように貫きながら。
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