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借りてきた猫みたいに大人しくなった僕を横目に
征司はすっかりくつろいだ様子で足を組み言った。
「さて、何から話そうか――」
無論
女の子たちは色めき立って大喜びだった。
「征司様の恋愛観、ぜひ聞かせて下さい!」
「どんな方をどんな風に愛されるのかしら?」
難攻不落で有名な天宮の御曹司が
今や自分たちと同じ目線で言葉を交わしている。
「――俺の愛し方を知りたいって?」
テーブルを囲んだ大半が
あわよくばと思ったに違いない。
「そうだな、俺の愛し方――」
征司は困った風を装って
意図的に
「おまえ知ってるか?」
「え……?」
指先が重なるほどこちらに身体を傾け
僕の顔を覗き見る。
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