episode223 奪い合い①

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再び膝に置かれた手に 今度はぐっと力が籠められる。 「また、ご冗談を……」 女の子たちの手前 取り繕ってそう答えるものの。 「僕が知るわけないじゃないですか……」 「ふうん」 見つめられれば 頬はみるみる熱を持って紅潮し 「俺の愛し方を知らないって?」 「し……知りません」 カラカラに渇いた喉からは かろうじて震える声が出るだけだった。 「残念だ――弟が知ってると思ったんだが。お嬢さんたち、レクチャーはお預けだ」 征司はソファーに身を投げひとしきり笑うと 「今の俺は酔ってるから――何も思い出せそうにないさ」 「ああん、そんな」 「征司様っ……!」 引き留める女の子たちには目もくれず ふざけ半分反動をつけ席を立った。
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