episode223 奪い合い①

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「僕も行かなくちゃ――」 繋がれて待たされた犬みたいに あの人の事しか考えられなくなる。 慌てて振り向けば 征司の姿はもうパーティーの喧騒に紛れて。 際立って美しい背中の線が かろうじて人波に見え隠れするぐらい小さくなっていた。 「あん、和樹様っ……」 「ごめんっ……!」 女の子を突き飛ばすようにして席を立つと 僕は人波をかき分け転がるように征司の後を追った。 そう いつもと同じ。 後追い――。 身体が疼いた。 燃えるように苦しい。 「和樹――」 こんな時 誰に引き留められたとしても僕は――。
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