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目を覚ますと、私は椅子に座っていた。
そこが何処なのか理解できなかった。
私は急いで状況を判断した。
解らない・・・。
私はどうやら記憶を失っているようだ。
記憶喪失の私の前に現れたのは、ニコニコ笑う、科学者だった。
何故かそれは理解できた。
私の記憶は私のやってきた事。
昨日、いや、今日、
たった今なのかもしれない過去の記憶が、一切無い事が解った。
そして、違和感を覚えた。
私は人間なのか?
人間と言う言葉が浮かんだのだ。
私は一体どんな物なのだろう。
記憶の回路が不鮮明だった。
回路・・・そうか、私はロボットなのだな。
漸く、私は理解した。
ならば私は故障したのか?
故障と言う言葉が引っ掛かった。病気と言うのがしっくりきた。では、私はロボットでは、無いのかもしれない。そんな事を思った。
「お目覚めかな?」
その科学者は言った。私は、
「あなたは?誰です?」
と聞いた。
「私か、それより君は誰かな?」
なんという質問だろう。
失礼な質問だな。
人にお前は誰だ?と聞くとは。
いや、さっき私も同じ質問をした。
私は混乱した。首を振った、頭が重い。
そして空っぽの様な気がした。
「答えられないか・・・、そうだろう。
君の記憶は私が消した。
君は正常だよ、1マル4」
104?それが私の名前なのか?
人間の名前にしてはあっさりしているな。
私は更に混乱した。
「私の記憶を消した?あなたは何者だ!」
私は語気を強めた。ふと見ると、奥の方に椅子に縛られ猿ぐつわを噛まされた、やはり格好が科学者な男がこっちを見て、もがいていた。
なにかを言いたい様だったが、原始的でも猿ぐつわは喋らせずに騒がせずに意識を保ったまま、拘束するのには適している。
私は彼らの関係を模索した。
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