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「説明が必要だな
君はロボットだ、AIといった方が
正確かな?
君はあの縛られた者に作られたのだよ
そして、君の任務は・・・」
任務は?の言葉を言うと科学者は
何故かゆっくりと間を空けた
そして、にやりと笑うと
「人間の抹殺だ、ある種の人間のな」
と言った
私は驚いたが混乱が少しだけ
修まった様な気がした
私には倫理観が無いのか?
やはり人間ではないのだな
私は科学者の言葉を信じた
「さてと、何故彼が縛られているか
それは彼が君を使って
私を殺させようとしたからなのだよ
私は君が来る事を知っていた
仲間が沢山殺られていたのでね
私は君の機能を強制停止させ
彼を呼出し、縛り上げたと言う訳だ
納得したかな?」
私は状況を理解した
しかし、何故この科学者は殺されそうに
なったのだろう、それが疑問だった。
彼はとても愉快そうだった
私には何も出来なかった
そう、ロボットなのだから命令が
無ければ、何も出来ない・・・本当か?
自立した人工知能
私は優秀なロボット自己の判断で・・・
頭が痛くなった、いや、そう感じた。
「あなたは何者です?
何故命を狙われるのです
犯罪者ですか?」
何と言う質問であろう
失礼にも程がある
だがそれが今私の出来る
ベストな質問であった
人間の科学者は怒るかと思ったら
更に愉快そうに
「それを君が決める」
と言った
これはいけない、
私にはどうやら人を傷付けてはならない
と言うプログラムが
深層的に植え付けられている
これに逆らうと私の頭脳に
致命的なダメージを与えるように
なっている
そう一瞬で判断できた、
私は懇願するように
「私は人殺しなど出来ません、
たとえあなたが犯罪者であったとしても
この国の、星の法律では
裁けないのでは無いのでしょうか?
死刑は原始時代のものです」
なんともスラスラと言えたものだ
やはり人間では無いな私は
だが何故にこんなにも自分を顧みたり
蔑んだり、自虐的になったりするのだろう
本当に私はロボットか?
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