AI

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「どちらの罪がより深い?」 アバル博士はそう聞いた私は 「それを決めなければなりませんか?」 と答えた 「そうだ!命令だ!」 「命令ならば、逆らえませんね」 私は銃を持つと立ち上がった 二人は戸惑った顔をした まさにロシアンルーレットだ 私のようなロボットに どちらがより罪が深いかを 判断させようとしているのだから 「バカな・・・命令でも、 最早誰も殺せない筈だ、 スーパーイレブンのプログラムは、 非常にデリケートなものだ 安全装置が働いたのなら 基本設計に忠実な筈だよ」 カイル博士が笑うかの様に そう言った 私は彼に向かって原子破壊銃を撃った 彼は驚いた顔のまま 残像が消えるかの様に消えて行った 「なんと言う事だ!まさか撃つとは?!」 そう言うアバル博士に私は 「彼は私達に何千万人もの人々を 殺させました その罪は死に価します、そして」 私はアバル博士を撃った 「何故・・・」 の言葉が出てしまう前に 彼は消えて行った 「そして、あなたは私に愛の感情を プログラムしてくれました ありがとう あなた方は この世界にいては成らない存在です 二人の争いは多くの人を 死に至らしめます だから、あなた方を殺すのは 私の最高の愛なのです・・・」 聞こえない筈のアバル博士のいた空間に 私はそう呟いた 人間なら、涙が出るところだろう だがその機能が無かった 私は銃を自分に向けようかどうしようか 死ぬべきなのか生きるべきなのかを 考えていた すると外が騒がしくなり ドアが乱暴に破壊されて 人が流れ込んできた 「カイル、アバル、両博士は?!」 先頭にいる、警察の人だろう 彼がそう言った 私は 「知りません、ここで待つように 言われたのですが、来ないのです」 と嘘をついた 「そうか、ロボットが嘘をつける筈も 無いからな」 私達ロボットは ロボット専用の服を着ている だから、直ぐに解ったのだろう 私は見た目は人と代わり無いのだから だが、私はスーパーイレブン 嘘どころか人を騙し、欺き、 そして殺せる能力を持たされているのだ 彼らが突入する数秒で 原子破壊銃をバラバラに解体して ゴミ箱や、机に何かの部品のごとく 置く事も一瞬の判断で遣っていたのだから。
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