ターミナル ―友弘・出立

7/7
51人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
一瞬手繰り寄せられた偶然の糸は、すぐにまたその手綱を弛める。 そんな偶然の糸先にふと気づくのも、 糸先が示す彼方を見遣るのも、 結局は思いの深さのなせる業なのだろう。 夕刻のごった返す空港のターミナルを背に、自分の決めた場所へと、みな歩き出す。 気づく者も、気づかぬ者も、自らの意志で。 そしてきっと、少しだけこれまでとは違う時間が、流れ始める。 Fin.
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!