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振り下ろす所で、謎の幼女の声により、ルーコの凶刃は押し留められる。
「何で、誰が」
その台詞から察するに、どうやらルーコは本気でマモルを殺すつもりだったようだ。今は謎の力により拘束されているようだが、それが解除されれば彼女はマモルに襲い掛かっていたことだろう。マモルの息子が委縮する。
「ルーコよ、お主はどこまで罪を重ねれば気が済む? マモルよ、女の子にはもう少し気を遣ってやれ。モテんぞ」
その声がする方へ振り向くと、何とサッカーゴールの上に翼の生えた幼女が乗っかっていた。白髪を腰ほどまで伸ばし、背中からは純白の翼を生やした、全裸の幼女だ。幼女というよりは妖幼女といったところだろうか。コスプレ少女、にしては少々大胆すぎないだろうか。
「あ、貴女は?」
「儂か? 儂はサッカーの神、サカ神(がみ)シノブじゃ」
「『バイキング』観てます」
「バイキング」とは、平日の昼間に放送されている「情報バラエティ番組」の事だ。学生であるマモルに、視聴する時間などはあるのだろうか。しかし、シノブはかぶりを振る。
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