王子くんの12か月 小満、そして芒種

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俺は春からある店に通っている。 その店の名前は朱華屋(はねずや)。 ご近所さんに愛されている店で、レトロな家具や個性的な服なんかが置いてあったり、駄菓子なども売られている。 あえて言うなら町の「なんでも屋」。 だから、子どもから学生、社会人、子連れのお母さんたちに、お年寄りも訪れる。 店を営んでいるのは優しそうな白髪交じりの女性、あやめさん。 俺がこの朱華屋に通うのには理由があった。 その理由は、俺があるものを持ち込んだからだ。 それは―― ――あなたに言われたことなんでもやります、3つだけ そう書いたスケッチブックを持ち込んだからだ。
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