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ああ…彼女に無性に会いたい。
そんな心情を悟られないように、一言礼を言いノート片手に自分の部屋と籠る。
机にノートと指輪を置き、椅子に座ってから目をとじる。
どんな内容が書いてあるのか、検討も付かない。
息子が読めと言って渡してきたからには悪い内容ではないはず。
心を落ち着かせ、目を開けて、震える指先でノートを開ける。
目に飛び込んできた、懐かしい彼女の字。
ああ…。彼女の、今日子の字だ。
うっすらと目に涙が滲む。
今日一日、溜まっていたモノが溢れ出そうになる。
涙をこらえ、その文字を目でなぞっていく。
内容は日記だった。
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