見え始めた色

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7月になると目覚めるのが早くなる。 理由は簡単、睡眠が浅くなる時期で悪夢を見るから。 毎日楽しい夢を見るなんてあり得ないけど、毎日悪夢を見るのはどうやらあり得るらしい。 カーテンを開ければ明るい日差しが待ってましたと言わんばかりに部屋に入り込む。 でも私は10秒ほどでカーテンを閉めなおす。すると当然部屋はまた暗くなる。 これがいい これでいい 目は慣れているので暗い部屋の中動き回る。 『ゆーちゃん、一緒に学校行こう!』 『私ゆーちゃんと友達で本当に嬉しい!』 『だーいすき!』 「っつ…!!!」 頭に声が響く。大丈夫、これは初めてじゃない。何度も何百回も繰り返したことでしょ? 机に手をかけて倒れかけた体を起こして乱れた呼吸を整える。 暗いけど鏡を見れば強い眼差しの私の顔が映る。 今日も大丈夫だ。私は私。なにも変わってない。 フィルター越しに見える世界は 不安な色をしている なにより私にあの事を忘れさせない だからいいのだ うっかり幸せになんてならない 幸せに触れれば必ず罰が下る あの時から加わった私の人生において重要ルール
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