取り戻した光

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あれは中学の時。夏美とは陸上部で種目も同じ高跳び。 そのせいもあり特に仲が良くて親友だった。 成績はいつも僅差というところ。 「やっぱり夏美みたいなライバルがいると頑張れる」 「次は完全に私がゆーちゃんより上の成績取るんだから、覚悟して!」 「私だって負けるつもりないから。あれ?これじゃあ今までと同じか」 「あはは!そうだよー」 きつい練習も夏美がいると頑張れた。 夏美はすごく綺麗なフォームで跳ぶ。 まるで背中に羽が生えたかのような優雅と言ってもいい。 そこは完全に私の負けと認めている。 私は努力型 夏美は天才型のよう いつまでも二人で跳び続けたい、良きライバルでありたいと。 しかしそれは事故で一生叶わなくなった。夏の大会で私が部の下級生の1人に手伝いを頼んだ。 その下級生はまだ大会に出るレベルではなくそれでも一生懸命基礎練習を積んでいた。 努力型の私を見ているようだった。だからせめて大会の手伝いだけでもさせたくて顧問にお願いをした。 顧問も了承しその下級生は頑張ります!と笑顔で応えてくれた。 夏美からも『いいとこあるじゃん!』と言われてつい気分がよくなった。 だけどその下級生がセットしたバーを夏美は跳べなかった。言われた目盛りより大きな誤差でセットしてあったからだ。 跳べなかっただけじゃない、落下の仕方が悪く首から落ちて…すぐ救急車で搬送されたが脊髄を損傷し下半身が動くことはない、そう宣告された。 私は夏美の背中から羽と未来を奪うだけでなく、足まで奪うことになった。
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