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「……っふ。……で、外側をある程度ほぐしたら、今度はナカに指を入れていくんだ。先ずは指一本からで、ちょっとずつ指を増やしていくんだ」
自分のナカに中指を入れ内側から身体をほぐしていたが、俺はそれを途中で止めて指を抜き取ると、その手をこの行程を凝視してくるミルトへと伸ばした。
「……じゃ、今度はミルトがやってみろ」
突然のことで、ミルトが慌てたように目をぱちくりとさせる。だが、そんなことなど構わずに掴んだ腕を引き寄せローションを手の上に流してやる。このまま自分で最後までやってもよかった。でも、やはり自分でするのと、他人にしてもらうのとでは感じるものが違いすぎる。ここでも俺は、汚い欲を隠し、「習うより慣れろ」なんて尤もらしいことを言って、そのままミルトの手を俺のケツへと寄せていった。
「さっき、俺がやってたみたいにしてみろ」
内側から込み上げる興奮を隠そうと、つい乱暴な口調になってしまう。平常時のミルトならば、この声にビビりすぐさま顔を伏せてしまっていただろう。だが、ミルトの中にも隠せない興奮があったのだろう。覚束ない手つきながら怯むことなく導かれた場所に指をあて、やわやわと撫でて、その先にある場所へと冷たい指を静かに挿し込んできた。
「そうだな。……先ずは指の腹で色々探ってみろ。コリッとした部分があるはずだ」
熱を持った身体の内側に冷たい指が蠢く。生物のようで生物でないような、身体の熱と指の冷たさがせめぎ合っているようで、互いの熱を循環しあっているような何とも例えがたい感触が妙な感覚を生む。背筋に伝わるぞわぞわとしたもどかしさを感じていると、突然その感覚が強いものに変わり身体を大きく震わせた。ミルトの細く冷たい指先が、指示した前立腺に触れたのだ。
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